1.生地の染色加工/整理加工

綿・麻などの織物は織りあがったままでは使えません。
染色加工で色を付ける、風合いをコントロールする、縮率を安定させるなどの工程を経てはじめて生地として出荷できます。

備中・備後地方の染色加工は藍染めから始まり、学生服や作業服など機能性や堅牢度が要求されるものは藍染めが主流でした。また、織物の歴史は綿花栽培から始まっているため、綿や麻などの天然繊維や、綿×ポリエステル繊維の中量織物が得意です。

使用する染料は、他地域では反応染料が主流ですが、この地域では藍、セレン、硫化染料、反応染料、顔料染料、天然染料など様々な染料に対応しています。

倉敷染では染料や助剤などの化学薬品はZDHC®2.0の基準をクリアしたものだけを使用しています。

2.デニム生地の整理加工

デニムや生成など、織りあがった生地を染色しない場合でも整理加工は必要です。出来る限り織りあがった生地の良さを活かし、縮率やゆがみを安定させることが大切なのです。

また、インディゴ染は経年変化で独特の味わいが出てきますが、その変化を最初から表現できるのがヴィンテージ加工です。
近年はストレッチデニムが主流になっているので、綾目を際立たせ、仕上がりを際立たせる特殊な整理加工を加えることも多いです。

倉敷染では、整理加工にZDHC®2.0の基準をクリアした薬品のみを使用しています。

3.製品の染色加工

縫い上がった製品をそのまま染める染色加工。白い生地で縫製し、様々な色に染め分けることで無駄な在庫を減らせるため再び注目を集めています。
硫化染料、スレン染料、反応染料などの化学染料はすべてZDHC®2.0基準をクリアした安全なものだけを使用しています。
製品染めならではのシワや風合いが求められる依頼も多いです。均一に染まる無地染めだけでなく、絞り染めや滲み染めなどさまざまな技法が使えます。

インクジェットプリントは、製品そのものにプリントすることで、さまざまな柄を表現することができます。また、刷版が不要で水を使わない点でも高く評価されています。

4.ジーンズの洗い加工

倉敷はジーンズの産地としても有名です。国産ジーンズの誕生とほぼ同時期に、新品のジーンズをより柔らかく履きやすくするための洗い加工が開発されました。当時のジーンズは家庭で一度洗うとかなり縮んでいました。そこで、あらかじめ洗って縮ませておくことで、完成品の縮みを最小限に抑えることが可能になりました。

古着の風合いを再現するために、薬品を使ったケミカルウォッシュ、ストーンウォッシュ、バイオウォッシュなどさまざまな方法が開発されましたが、これらの方法は作業者の負担も大きかった。近年では、レーザーやロボットアームによる加工など、機械化が進み、働き方も変化しています。

5.生地の抜染/着色プリント

無地に染色や晒した生地にロータリー捺染機でプリントをします。最大12色まで対応可能です。
インディゴ染のほか、カジュアルの定番である迷彩柄も多く手がけています。

(2023年4月 倉敷染に加入)