倉敷染は安全性と環境負荷に配慮した
人と環境にやさしい繊維加工の安全認定です
- 国際基準(ZDHC2.0)で認められた安全性の高い染料、薬品のみを使用しています。
- 一般財団法人 ニッセンケン品質評価センターで定期点検し安全性を保っています。
- 水の使用量を出来る限り抑え、排水は徹底的に浄化して瀬戸内海へ戻しています。
倉敷染の歴史
備中備後地域の繊維産業の歴史は綿花栽培から始まりました。
現在の倉敷市児島地区ではもともと海だった干拓地を塩田や農地にしていましたが、米作りには適してないため、塩気に強い綿花が広く栽培されました。
その後、真田紐や袴地、帯地などの織物が織られるようになりました。
岡山県井原市では、綿花の栽培に加え藍の栽培が始まり、やがて藍染綿織物の備中綿として全国知られるようになりました。
明治時代になると西欧の近代技術をいち早く取り入れ、岡山県内や広島県内に紡績会社が次々と設立され、動力織機を導入した織物の生産も盛んになりました。
明治後期から大正時代にかけて動力ミシンを使った足袋の製造が発展し、その後学生服や作業服などの生産へとつながっていきました。
昭和に入り1960年代には井原でデニム地の生産が始まり、倉敷市児島では国産ジーンズの生産も始まり、ほどなくしてジーンズを洗い加工する技術も誕生しました。
倉敷染の誕生と独自の基準づくり
倉敷染の母体となる、岡山県織物染色工業協同組合は、1954年に設立されました。
設立当時は新しい技術の開発などを担っていましたが、近年の世界的な環境意識の高まりに対応するため、また染色加工での安全性と環境対応について真剣に取り組むため、「倉敷染推進委員会」を設立し、独自の基準作りに取り組みました。
水やエネルギーの利用についても、必要最低限の利用を目指し、排水の浄化を徹底しています。倉敷市児島の排水は瀬戸内海に流れます。瀬戸内海は国立公園に指定されているため、一般の排水基準より高いレベルの排水浄化基準が設けられています。
世界レベルを目指した倉敷染の独自基準
日本の基準よりはるかに厳しい国際基準「ZDHC MRSL VERSION2.0」を採用しています。
また、定期的に品質検査を「一般社団法人ニッセンケン品質管理センター」(スイスに本社があるエコテックス®認定検査機関)に依頼し、確実な品質を保っています。
有害物質 規制比較表
世界中の化学物質のうち繊維の生産に使用される割合は25%と言われています。中には発ガン性やアレルギーを誘発するような体に有害な物質が生産段階で含まれる可能性もあります。染料や助剤を始めとする生産時に欠かせない化学薬剤は多岐にわたります。
日 本 Japan | 欧 州 Europe | エコテックス® EKO-TEX® | ZDHC | 岡山県織物染色 工業協同組合 Okayama Prefectural Textile Dyeing Industries Association | |
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主な規制 Major regulations | 有害物質規制法 Toxic Substances Control Act | REACH | スタンダード100 STANDARD 100 | MRSL 2015 VERSION1.1 Group A | 倉敷染®ブランド KURASHIKIZOME brand |
ホルムアルデヒド Formaldehyde | ○ | △ | ○ | ☆ | |
特定芳香族アミン Specific aromatic amines | ○ | ○ | ○ | ○ | ☆ |
pH(水素イオン指数) pH (hydrogen-ion exponent) | ○ | ☆ | |||
重金属(含有) Heavy metals (contained) | ○ | ○ | ○ | ○ | |
フェノール類 Phenols | ○ | ○ | ○ | ○ | |
フタレート(可塑剤) Phthalates (plasticizers) | ○ | ○ | ○ | ○ | |
有機スズ化合物 Organotin compounds | △ | ○ | ○ | ○ | ○ |
アレルギー誘発性染料 Allergenic dyes | ○ | ○ | ○ | ||
塩素化ベンゼン・トルエン Chlorinated benzene/toluene | ○ | ○ | ○ | ○ | |
フッ素化合物 Fluorine compounds | △ | ○ | ○ | ○ | |
多環芳香族炭化水素 Polycyclic aromatic hydrocarbons | △ | ○ | ○ | ○ | |
残留界面活性剤 Residual surfactants | ○ | ○ | ○ | ☆ | |
その他 主な規制物質等 Other major regulated substances, etc. | 抗菌加工・難燃加工 Antibacterial finishing and flame-retardant processing | 複数項目 Multiple items | 複数項目 Multiple items | 複数項目 Multiple items | 複数項目 Multiple items |
○:全面的に規制 Fully regulated
△:部分的に規制 Partially regulated
倉敷染®ブランドでは「○」は書類でのチェック、「☆」は定期的な分析試験実施項目
倉敷染の安全認定マーク
独自の基準で染色加工された製品に「倉敷染®」ブランドマークを付けることで、
消費者の皆様にも安心して選び、お使いいただけます。
マークについて
上下のカーブを合わせて見ると、日の丸が浮かび上がってきます。
下部のストライプは縦縞が特徴的な小倉織と瀬戸大橋を表現しています。
シンプルな形状の組み合わせで、「岡山」「伝統」「力強さ」「安定感」「高品質」という、倉敷染の想いを表現したデザインです。
ジャパンブルーと呼ばれる伝統的な藍の色は、「日本」「染物」「岡山の繊維産業」「潔さ」を表しています。